いわゆる「教員免許」は教育職員免許法に基づいて授与されているところ、同法13条1項では、「免許管理者は、この章の規定により免許状が失効したとき、又は免許状取上げの処分を行つたときは、その免許状の種類及び失効又は取上げの事由並びにその者の氏名及び本籍地を官報に公告するとともに、その旨をその者の所轄庁及びその免許状を授与した授与権者に通知しなければならない。」としています。
同法10条1項では、「免許状を有する者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、その免許状はその効力を失う。」とし、
1.「禁錮以上の刑に処せられた者」または「日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、又はこれに加入した者」
2.「公立学校の教員であつて懲戒免職の処分を受けたとき。」
3.「人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合」または「心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合以外で、その職に必要な適格性を欠く場合」として分限免職の処分を受けたとき。
の3事項が定められています。
あわせて、同法11条1項では、「国立学校、公立大学法人が設置する公立学校、私立学校の教員」が、公立学校の教員における懲戒免職の事由に相当する事由により解雇されたと認められるときは、免許管理者は、その免許状を取り上げなければならない旨を規定しており、同2項では、「免許状を有する者が、次の各号のいずれかに該当する場合には、免許管理者は、その免許状を取り上げなければならない。」とし、公立学校の教員と同様の要件を定めています。
端的に言えば、懲戒処分などを受けたときに、「公立学校の教員は免許失効」「国立学校、公立大学法人が設置する公立学校、私立学校の教員は免許取上げ」ということになっています。
また、現行の同法施行規則74条の2では、「免許法第十三条第一項の規定による公告は、次に掲げる事項を官報に掲載して行うものとする。」とし、
「氏名」「本籍地」「免許状の種類」「授与権者」「免許状授与年月日」「免許状の番号」「失効又は取上げの年月日」「失効又は取上げの事由」が事項として定められています。
さらに、「失効又は取上げの事由」については、以下の事項が定められています。
イ.「児童生徒性暴力等」(すぐ下で説明)
ロ.「わいせつな行為又はセクシュアル・ハラスメント(イに該当するものを除く。)」
ハ.「交通法規違反又は交通事故」
ニ.「教員の職務に関し行つた非違(イからハまでに該当するものを除く。)」
ホ.「イからニまでに掲げる理由以外の理由」
なお、
イ「児童生徒性暴力等」とは、以下に当てはまるものです。
1.児童生徒等に性交等をすること又は児童生徒等をして性交等をさせること。
2.児童生徒等にわいせつな行為をすること又は児童生徒等をしてわいせつな行為をさせること(前号に掲げるものを除く。)。
3.十六歳未満の者に対する性的行為等、児童買春、児童買春周旋、児童買春勧誘、児童ポルノ所持・提供等、児童買春等目的人身売買等、性的姿態等撮影、性的影像記録提供等、性的影像記録保管、性的姿態等影像送信、性的姿態等影像記録、に当たる行為をすること(前二号に掲げるものを除く。)。
特に、
令和3年4月1日以降は、施行規則改正により、「懲戒免職又は解雇の理由が前条第八号イからホまでのいずれに該当すると思料するかの別を付して行わなければならない。」とされていますので、
何を理由に懲戒免職又は解雇されているのかが、公告上で明確に分かるようになっています。